幼年期の終わりを読んだ

アーサー・C・クラーク

翻訳者 池田真紀子

光文社古典新訳文庫第10版

とさです。新年2冊目の小説。 光文社古典新訳文庫のおかげで名作と呼ばれる本をかろうじて読めるようになった今日この頃。

読書をしながら気になったところとかをメモしていきます。

リップ・ヴァン・ウィンクルについて

p36に出てきた、リップ・ヴァン・ウィンクルの花嫁と映画にも出ていた名称だが、これはなんなのだろうかと気になったのでwikiで調べてみた。

wiki引用

『リップ・ヴァン・ウィンクル』(Rip Van Winkle [3][4]) は、アメリカの小説家ワシントン・アーヴィングによる短編小説であり、作中の主人公の名前でもある[3][5]。1819年から1820年に掛けて分冊形式で刊行されたスケッチ風物語集『スケッチ・ブック』[6]の1冊目(1819年6月23日刊行)に所収の1篇として発表された[5][7]。アメリカ最初期の短編小説の一つである[7]。

猟に出た主人公リップが山中で奇妙なオランダ人の一団に酒をふるまわれて寝込んでしまい、目を覚まして山を下りると20年も経っていて、世の中がすっかり変わってしまっていたという話[8][9][5]。

なるほど、最後のジャンのオーバーロードの惑星に行って戻ってきて80年が経過してしまう過程をリップヴァンリンクルを対応させていたのかと納得できる。


p273 人間が受け身なスポンジに、吸収するだけで何も生み出さないスポンジに成り下がろうとしているのも不思議ではありません。

テレビやラジオから流れる娯楽の多さを指摘している文章。今の時代はまさにそうなっているよなと。 一生分の時間をかけても消費しきれない娯楽がある。 最近、むしろ暇であることがとても貴重なのではないかとよく感じるようになったのでこの本で文章化されていて改めて認識できた。


p404 何より欲しかったのは、電子ピアノとバッハの楽譜だった。これまでは音楽に時間を費やすことができなかった。

人類が一人になった世界でジャンが最後の時間を過ごす時の文章。

終末に希望を見出す論者ではないが、世界が終わってしまうことがわかれば人はある程度自由になれるのではないか。世界が終わってしまうのであれば、自分ならおそらく好きな場所をひたすら散歩するだろうし、図書館でゆっくりと本を読んでいるだろう。世界の終わりはとてつもなく暇なのではなのかもしれない。そうあって欲しいなと読んでいて思いました。

この本全体を通してジャンみたいな体験をしたいかも。 異世界人(オーバーロード)の船に乗り込んで、別の惑星を見学して人間としては体験できなかったであろう宇宙のいろいろなことを体験して、地球に戻ったら人類はほぼ滅亡してて自分が最後の人類となっている。 そうして、地球が滅びる瞬間を実況しながら幕を閉じる。

これほどまでに好奇心を満たす体験をしてみたいなと思いました。


オーバーロードの正体がわかるまでワクワクしながら読めて楽しかった。 あとは、子供が能力に目覚めて宇宙のあらゆる星の映像を夢に見るシーンは自分も想像力を掻き立てられて面白かった。

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